新NISAでオール・カントリーを選ぶ理由


「emaxis slim全世界株式(オールカントリー) とは、何か」。NISAを調べていると一度はこの単語を目にすると思います。この記事では、オールカントリーの特徴や市場の変動が気になる方もいらっしゃるかと思いますので、その下落理由と市場動向の分析も提供し、銘柄入れ替えの重要性についても解説します。新NISA制度の中でどのようにオールカントリーを位置付け、効果的に利用できるかを理解していただけると思います。

まず一文で表すと、

約50か国の企業に分散して投資し、全世界の株式市場の動向を一つの商品にまとめている。

という投資信託となります。

本記事を通じて、オールカントリーに関する全体像を捉え、投資判断の一助にしていただければ幸いです。

目次

emaxis slim全世界株式(オールカントリー)ファンドの特徴とメリットを解説いたします。

全世界株式(オールカントリー)の特徴

対象:約50か国の企業

つまり、投資信託一つでグローバルな分散投資を実現することができます。

分散投資のメリット:
価格の変動は各地域や国の経済状況、政治情勢、株式市場の動向などに影響を受けるため、多様な地域に投資するということは1つの市場の不調が全体のパフォーマンスに与える影響を軽減し、リスクの分散が図れる。

例:
1企業に100万円全額投資し倒産 
→損失は100万円。
倒産した1企業に1万円、他の企業に残り99万円を分散投資
→損失は1万円のみ。他の企業も影響をうけていたとしても0にはなりにくい。

emaxis slim全世界株式の構成比率と魅力

emaxis slim全世界株式の構成比率は、世界の株式市場の時価総額を指標としています。
構成銘柄:米国市場の大手企業から新興国の成長株まで広範
特徴:時価総額加重型のため、市場全体の動向を反映しやすいという利点があります。特に大手テクノロジー企業や医療関連企業などの株式が多く含まれております。

オールカントリーを通して幅広い地域やセクター(業種)に投資することで、特定地域や産業によるリスクを緩和することができます。資産運用の観点から見ても、少額から投資が可能で、運用コストも控えめであるため、コスト面でも大きな魅力を持ちます。ファンドのパフォーマンスはこの多様な銘柄選定によって支えられています。

emaxis slim全世界株式が分配金なしの理由

emaxis slim全世界株式が分配金を出さないのは、

ファンドが収益を再投資し、投資効率を最大化することを目的としているため

です。

運用戦略:得られた配当金や利息、売却益をそのままファンド内に再投資することで、複利効果を高める。

これにより、長期的な資産価値の増大が期待され、投資家は配当金受取の管理をしなくても、ファンド自体の基準価額の上昇を通して間接的に利益を享受できます。また、分配金を出す際の税金の問題も存在せず、効率的な資産運用が可能になるのです。このような戦略により、長期的な視点での運用が求められる投資信託として、支持を得ています。

※複利とは?
例:100万円を年利10%で運用
1年目100万円→2年目110万円(+10万円)
2年目110万円→3年目121万円(+11万円)
このように同じ利回りでも元値が大きいと、年間リターンも増えることをいいます。将来1000万円になっていた場合は、1年で100万円増えることになるため大きいですね。

オールカントリー実績

下記はあくまで過去の実績であり、将来の投資成果を保証するものではありませんが、参考に載せておきます。

設定日:2018/10/31

以下が2025年1月からみた過去のリターンとなります。
1年前からのリターン +26.37%  
3年前からのリターン +63.17%  
5年前からのリターン +125.17%  
設定来からのリターン +171.02%
10年間のリターンを1年リターンに平均した場合は9.59%となります。

2025年1月19日現在、1か月前からのリターンは-1.53%です。
短期では、マイナスとなることもわかりやすいですね。

続いて騰落率です。2019年‐2024年までの年間リターンは最大56.5%、最低‐12.1%、平均19.3%でした。

※ドルコスト平均法って?

設定日の2018年に100万円投資していれば、
2025年1月には271万円(100万円+100万円×1,71)となっています。

NISA利用していればこの271万円が手に入ります。

利用していなければ、171万×0.2=約34万円税金として引かれ、手に入るのは237万円となります。

オールカントリー月次資金流出入額
買われた額の合計から売られた額の合計を引いた金額を月次で表示。※SBI証券から引用。

2024年から一気に上がっているのは新NISAの影響ですね。2025年1月は約4000億円買われています。2024年の平均が2000億円だとしてもかなりの規模ですので下落よりこの勢いに乗った方が良いとも考えられます。

オールカントリーの市場下落の背景と、今日の市場動向を検討します。

オールカントリー下落の理由とその要因

オールカントリーが下落する理由には、いくつかの要因が挙げられます。

経済の不確実性、経済成長率の鈍化
米国や中国などの大国の貿易摩擦の激化、政治不安定な状況など

金利の変動、インフレーション
米連邦準備制度(FRB)が利上げなど

地政学的なリスク要因
戦争や紛争、自然災害など

為替変動リスク
円高になると、円換算では価格が下落する。

これらにより、オールカントリーの下落圧力が高まる場合があります。

オールカントリー銘柄入れ替えの重要性

運用
ファンドマネージャー(専門家が行ってくれています!信託なので買う側はすることはありません。)
目的
市場環境の変化や各国の経済状況の変動にあわせ、下落リスクを回避やより良いリターンを目指すため。
手段
定期的に銘柄の選定と入れ替えを行うことで、不振に陥ったセクターや地域の株式が排除される一方、成長期待のある新たな銘柄が組み入れられることにもなります。特に、グローバルベースでの経済成長が期待される企業や地域への投資拡大は、長期的なファンド価値の向上に寄与します。

このように、ファンドの構成銘柄を頻繁に好適化することによって、投資収益の向上とリスクの最小化を狙うことが可能となります。

新NISAオールカントリーの戦略と活用法

新しいNISA制度下でのオールカントリー投資戦略とその効果的な活用法を解説します。

新NISAオルカン一本化のメリット

  1. 簡素化できる。
  2. 銘柄の選択にかかる時間と労力を節約し、日々の管理もスムーズになる。
  3. 世界経済全体の成長を包括的に享受できる機会が増える。
    • 新興国市場の成長や米国市場の革新技術の導入を包括的に捉えることができ、リターンの最大化を目指すことが可能。
  4. 手数料の低減効果も得られ、コストパフォーマンスの高い投資が可能。

このため、新NISAを活用したオールカントリーの一本化は、長期的な資産形成における有効なアプローチとなります。

新NISAでのオールカントリー活用法とは

新NISA制度におけるオールカントリーは、投資家にとって非常に魅力です。

新しいNISA制度非課税で資産を運用できるという利点があります。これにより、グローバルな市場動向や経済成長を幅広く取り込むことができ、リターンの最大化が目指せます。特に、長期投資を視野に入れた際、世界経済全体の成長トレンドに乗ることは資産形成において非常に有効です。また、定期的な積み立て投資を行うことで、ドルコスト平均法(※)を活用し、購入タイミングによるリスクを分散することも可能です。このように、新NISAでオールカントリーを利用することで、長期的に見て資産を効率的に運用することが可能となります。

※ドルコスト平均法:時間を分散して購入することでリスクを抑える手法

まとめ~オールカントリーの投資戦略~

特徴
・ファンドマネージャーが定期的に銘柄の入れ替えを行う。
・分散投資ができる。(地域、業種)。
・信託報酬が低い。
・再投資による複利効果が期待できる。

買い方

開始するタイミングを意識するよりも、毎月一定額の積立が望ましいです。(ドルコスト平均法)

他の金融商品よりも比較的リスクが大きくない投資信託として紹介しましたが、確実なわけではありません。また暴落することも何度か目にすることがあると思います。

しかし、何度もそこから再上昇し暴落前の水準に戻っています。過去からのみで判断しても良いならこれからも右肩上がりとなるでしょう。

暴落したからと焦らず、安く買えてよかったという気持ちで過ごして頂けることが初心者の投資では望ましいです。

将来、このブログを参考に始めた方に良かったと思って頂けるきっかけになっていれば幸いです。

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