賃貸物件を探す際、「とりあえず内見してから決めよう」と考える方も多いですが、内見前に希望条件を明確にすることで、物件選びの効率と満足度が大きく変わります。
ここでは、内見前に整理しておくべきポイントを具体的に解説します。
希望エリアと最寄駅の候補を絞る
どのエリアに住みたいのかを明確にし、3〜5駅程度の候補を持っておくと選択肢が広がります。
職場や学校までの通勤・通学時間
交通の便
買い物のしやすさ
安全性
家賃・共益費・初期費用の予算を明確に
家賃は「手取りの3分の1以下」が基本!
「共益費・管理費込み」での総額で考えましょう。
あわせて、初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)も事前に把握しておくと、無理なく入居計画が立てられます。
たとえば、「家賃7万円、初期費用は30万円まで」など、具体的な予算設定が理想です。
優先順位をつけた希望条件リストを作る
希望条件はすべてが叶うことは難しいです。
そこで重要なのが、「譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けて整理しましょう。
以下はチェックリストの一例です:
条件 | 優先度 |
---|---|
バス・トイレ別 | ★★★(必須) |
室内洗濯機置き場 | ★★☆(できれば) |
築10年以内 | ★☆☆(妥協可) |
2階以上、南向き | ★★★(必須) |
オートロック | ★★☆(できれば) |
このように、明確にしておくことで、内見時や不動産会社とのやりとりがスムーズになります。
必要な設備・条件を明確にする
日々の生活を快適にするために、必要な設備や環境条件を洗い出しましょう。
- 室内洗濯機置き場:ベランダなど屋外にある物件も
- インターネット無料
- エアコン完備:部屋数が増えると1室のみで他の部屋にはないこともあり注意。
- 収納の広さ:スーツやワンピースなどを収納しやすい高さがあるか。
- 駐輪場・駐車場:屋根付きかどうか、玄関から近いか
ライフスタイルに合った間取りを考える
すでに紹介したように、生活スタイルに合った間取りも希望条件に含めましょう。
たとえば、「リモートワークが多いので1LDK以上」「寝室と生活空間を分けたいので2K以上」といったように、用途に合った空間構成をイメージしておくことが大切です。
内見の比較基準を準備しておく
複数の物件を内見すると、どれが良かったのか混乱することも。比較のために、以下のようなポイントごとにメモを取りましょう。
- 日当たり、風通し、騒音
- 収納の量と配置:隣の部屋との間に収納スペースがある間取りだと音漏れが軽減されます
- 玄関や水回りの清潔感
- 近隣環境(コンビニ、スーパーの距離)
- 携帯電波やWi-Fiのつながりやすさ
3-2 内見時のチェックポイント|見るべき設備と注意点
賃貸物件の内見は、「写真や情報ではわからない部分」を実際に確認できる重要な機会です。しかし、何も準備せずに行くと、肝心なところを見落としてしまうことも。ここでは、内見時にチェックすべき具体的なポイントと注意点を解説します。
写真ではわからない「日当たり」と「風通し」
- 自然光の入り具合
- 隣の建物の影で暗いケースもあります。
- 風通し
- 窓を開けてチェック。
- 湿気がこもりやすい部屋は、カビやダニの原因になり、健康面でもマイナスです。
音の聞こえ方を体感する
壁が薄い物件では、隣人の生活音(テレビ・話し声・足音)が聞こえてストレスになります。
内見時には壁や床をノックしてみる、もしくはスタッフと少し会話して音の響き方を確認してみましょう。
また、外の騒音も重要です。窓を開けて「車の走行音」「電車の音」「人の声」などがどのくらい聞こえるかを確かめましょう。
水回り設備の劣化や使いやすさ
キッチン、浴室、トイレ、洗面所などの水回りは最も使用頻度が高く、トラブルが起きやすい場所です。
以下の点をチェックしましょう:
- 蛇口からの水漏れはないか
- 換気扇は機能しているか
- カビ・サビ・異臭がないか
- キッチンの調理スペースは十分か
コンセント・ネット環境の確認
意外と忘れがちなのが、コンセントの数と位置です。
これは、家具の配置に大きく影響します。
テレビ・冷蔵庫・電子レンジ・パソコン・スマホなど、必要な家電がすべて収まるかをイメージしながら確認しましょう。
また、Wi-Fi対応状況や携帯電波の入りやすさも重要です。特に鉄筋コンクリート造の建物では、部屋によっては電波が弱いこともあります。
収納スペースの実用性
収納が「あるかないか」だけでなく、中の広さ・形状・奥行きも確認してください。見た目は立派でも奥行きが狭くて使いにくい場合もあります。特にコートやスーツなどの丈の長い服を収納したい場合は、ハンガーポールの有無や高さも要チェックです。
セキュリティと共用部分の状態
女性の一人暮らしや小さなお子さんのいる家庭では、セキュリティ面も大きな検討材料になります。
- オートロックの有無
- 宅配ボックスの設置
- 建物の入口や廊下の明るさ
- 防犯カメラの設置状況
さらに、共用部分(エントランス、ゴミ置き場、階段など)が清潔かどうかを見ることで、管理状況の良し悪しも分かります。
メジャー持参で家具配置をシミュレーション
内見時には、メジャーやメモ帳、スマホでの写真撮影を活用して家具配置をシミュレーションしましょう。ドアの開閉スペース、冷蔵庫や洗濯機置き場の寸法など、入居後に「置けなかった!」とならないように事前確認は必須です。