2024年からスタートした新NISA制度。これまでのNISAよりも非課税枠や対象の金融商品が拡大され、多くの方が投資を始める大きなきっかけとなりました。新NISAの口座開設数は2500万に上り成人の4人に1人が利用しているそうです。
長く投資に関わっている方からすると暴落を何度も経験しており、資金管理さえしていれば怖いものではありません。
しかし、投資を始めたばかりの方で、相場の変動により資産額が減り不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
特に、投資商品の価格が下がったときに「このまま持ち続けても大丈夫なのか?」「もっと減っていくんじゃないか」と悩み、傷口が浅いうちに損失を確定させる「損切り」を考える方も少なくありません。しかし、新NISAの特性を理解すれば、むやみに損切りをする必要はないことがわかります。今回は、新NISAにおける「損切り」の考え方と、長期投資で安心して資産を増やしていくためのポイントを解説します。
ここ解説する投資対象は、インデックス投資を前提としているため、個別株は異なる戦略となる場合があります。
株の「損切り」とは?
損切りとは、購入した投資商品の価格が下がった際に、これ以上の損失を防ぐために売却することを指します。
短期売買を前提とした投資では、一定の基準で損切りを行うことがリスク管理の一環となります。
しかし、新NISAは「長期・分散・積立」を基本とした資産形成を目的とする制度です。
一般的に、長期投資を行うことで相場の一時的な下落による影響を受けにくくなります。
実際に、過去のデータを見ると、株式市場は短期的な変動を繰り返しながらも、長期的には成長を続けていることがわかります。
新NISAを活用する場合、目先の下落に焦って損切りをするよりも、長期的な視点で運用を続ける方が有利になる可能性が高いです。
- 〇〇はオワコン、これからは△△の時代が来る!など煽るような発言
- 不安を煽ることで視聴率を稼ぐ、注目を集めるためです。
- 多角的な視点で情報を精査する必要があります。
- 短期目線での発言か、長期目線での発言か
- 発信者の意図しない形で伝わる場合も注意です。短期的な売買をする場合は、現在の経済状況を把握し、また予測しながら銘柄を選定する必要があります。しかし、長期での積立を考えている場合、現在の下落は安く買えるため、気にする必要はありません。10年以上停滞しているのは日本くらいですから。。。
- ローリスクローリターンなのかハイリスクハイリターンを狙った発言なのか
- インデックス投資のようなローリスクで預金よりも増やしていく場合は現在の下落を心配する必要はありません。
- ハイリスクハイリターンの方がインデックス投資よりも利益を出せる可能性があり、それを誇張して発信する人が居ます。
- 相対的にインデックス投資が劣後する可能性があるだけで、長期的に資産が増えることには変わりません。
どうしても個別株やテーマ株に挑戦したい場合は、少額で試してみるのもありでしょう。
上手く立ち回れば大きく利益を増やす可能性もあります。
しかし、対応が遅れると大きく資産を失うこともありますので注意が必要です。
損切りせずに安心して運用するためのポイント
相場の変動を気にしすぎない
投資を始めたばかりの方は、毎日資産の増減をチェックしがちですが、短期間の値動きに一喜一憂するのは精神的にも負担が大きくなります。長期投資では、短期の変動はあくまで通過点と考え、慌てずに構えることが大切です。
積立投資を継続する
新NISAの「つみたて投資枠」を活用し、毎月コツコツと投資を続けることで、高値でも安値でも一定額を購入する「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。これにより、価格が下がったときには安く買い増しでき、結果的に取得単価を抑えることが可能になります。価格が下がって怖い、損しそうと思って積立をやめてしまうと、せっかく安く仕入れられる機会を逃すことになります。数年停滞しても、10年後には現在価格よりも上がっている可能性が高いことから、継続することが資産拡大に繋がります。
幅広く分散投資をする
一つの銘柄や資産クラスに集中すると、特定の市場が下落したときに大きな影響を受けるリスクがあります。世界中の株式や債券など、異なる資産に分散投資することで、リスクを抑えつつ安定した運用が期待できます。オールカントリーなどのインデックス投資はそれを可能にします。
目的と期間を明確にする
「何のために、どれくらいの期間運用するのか」を事前に決めておくと、短期的な値動きに惑わされにくくなります。例えば、「20年後の老後資金のため」と決めている場合、一時的な下落があっても、すぐに売却する必要はないと冷静に判断できるでしょう。
「損切り」した方がいいケースはあるのか?
基本的には、新NISAではむやみに損切りをする必要はありません。しかし、以下のような場合には、冷静な判断が求められます。
投資の目的が変わった場合
例えば、教育資金として10年以内に使う予定だったが、別の方法で資金を確保できた場合。リスクを減らすために、一部売却を検討するのも一つの選択肢です。
購入した銘柄が大きく方針転換した場合
個別株やアクティブファンドに投資している場合、その企業の業績悪化や運用方針の変更などがあれば、売却を検討することも考えられます。
投資方針が根本的に合わなくなった場合
例えば、新NISAを始めたものの、リスク許容度を超えるストレスを感じる場合は、無理をせずに投資額を調整することも大切です。
まとめ:焦らずじっくりと資産を育てよう
新NISAでは、長期的な視点での資産形成が重要となります。短期的な価格の変動に惑わされて損切りをしてしまうと、将来的な成長の機会を逃してしまう可能性があります。
「投資はマラソン」 という言葉があるように、長期的な視点でコツコツと積み上げていくことが大切です。相場の下落に不安を感じたときは、「これは一時的なもの」と冷静に判断し、積立を継続することを意識しましょう。
新NISAを活用して、焦らずじっくりと資産を育てていきましょう!