社会の多様化に伴い、あらゆる方法で、ネットワークビジネスを紹介される場面が増えています。田舎から東京に上京してくるときには騙されやすいから注意するように、高い壺を買わないようにと友人から言われ、そんなことには絶対ならない!と自身では思っていました。
実際、騙されたという表現で良いかは分かりませんが、ネットワークビジネスに関わり無駄な出費や時間の浪費をしたと感じたことから執筆に至りました。
ここではネットワークビジネスとはどのようなものか、違法性があるのかを解説し、別記事にて私がどう紹介され、どのような行動を取ったのか体験を語らせていただきます。
ネットワークビジネスとは何か?
マルチ商法とも呼ばれます。
ネットワークビジネス(MLM:マルチレベルマーケティング)とは、製品やサービスを販売しながら、新しい販売員(ディストリビューター)を勧誘し、その紹介した人たちの売上に応じて報酬が得られるビジネスモデルです。
仕組みの基本:
- 商品・サービスを販売
→ 自分で直接売った分の利益を得る。または、ダウンライン(紹介された側)の売り上げの一部がアップライン(紹介した側)に利益として入ります。ダウンラインが継続的に購入する限りアップラインは利益を得られます。 - 新しい販売員を紹介
→ ダウンラインが販売員となる際には初期費用が20-30万円程度必要。その一部がアップラインの売上となる。またダウンラインが新規で販売員を得た際、そのアップラインにも報酬が入る。
例:紹介者A、紹介された側Bが居て、Bが新しくCを紹介し加入した場合、その初期費用の一部がBとAに入る。
※初期費用は主に指定された額の商品を購入することで成立。 - チームを拡大
→ 紹介した人がさらに新しい販売員を増やすと、自分の報酬も増える。自分から始まるダウンラインが10人ほどとなると退職し、ネットワークビジネスを本業とする人が多かったです。
メリット
- 少ない資金で始められる
– 低コストでビジネスを開始できるが、20万-30万円分であり、商品が家に届くと消費するのも手間でした。 - 権利収入の可能性
– 組織が成長すれば継続的な収益が期待できる。ダウンラインが増えるとダウンライン自体が収益を上げるため自発的に活動することからある一定の人数を超えると急成長する場合がある。 - 商品が良ければ利益が出る
– 高品質な商品を扱う会社なら、純粋に販売で利益を上げられる。ミキプルーンも実はネットワークビジネスです。 - 人脈が広がる
– セミナーやミーティングを通じて新しい人と出会える。この組織内で知り合い結婚されてた方も居ました。
デメリット
- 勧誘が必要
– 人を誘うことが苦手な人にはハードルが高い。たくさんの人と知り合い、個別に会う時間を作る必要があります。また、本業で稼がないと毎月赤字となることから軌道に乗るまではかなり大変です。 - 収益化が難しい
– 上位の人ほど収益が大きく、新規参入者が成功しにくい。先ほどのダウンラインが10人ほど居てやっと本業として活動できるかどうかのため、10人が10人を勧誘して100人の組織に、またその100人が10人勧誘して1000人の組織にと繰り返すと、あっという間に労働人口を超えてしまいます。 - 信頼を失うリスク
– 友人や家族への勧誘が関係悪化につながることも。
メリット側とは逆にネットワークビジネスを反対され離婚した人も居ます。 - 違法行為の可能性
– ねずみ講と混同されることがあり、違法な勧誘手法が問題になる場合もある。これは徹底されていますが、人数が増えると徐々に管理が難しくなっていきます。
ネットワークビジネスは違法か?
薬事法や特商法など守るべき法律があり、ルールを守っていれば違法ではありません。
しかし、現実的にはグレーゾーンからアウトのことをしている人も中にはいます。そのため営業停止や活動停止となる団体もあると聞きます。
薬事法(現在の正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)
薬事法(現:医薬品医療機器等法)は、医薬品や化粧品、健康食品などの安全性や有効性を確保し、誇大広告を防ぐための法律です。
ポイント
- 医薬品・医療機器・化粧品・健康食品の販売規制
- 厚生労働省の許可がないと「病気が治る」「○○に効く」といった表現はできない。
- 特に健康食品を扱う際、「がんが治る」「ダイエット効果抜群」などの宣伝は違法。
- 広告規制
- 「科学的根拠のない効果効能の宣伝」はNG。
- 口コミでも「○○を飲んだら病気が治った!」と発信すると違法になる可能性あり。
- 販売の許可
- 一部の医薬品や医療機器の販売には、薬剤師などの資格や許可が必要。
特定商取引法(特商法)
特定商取引法は、消費者を保護するための法律で、特に「勧誘方法」や「契約の取り消し(クーリングオフ)」について定めています。
ポイント
- 対象となる取引
- 訪問販売、電話勧誘販売、通信販売、連鎖販売取引(ネットワークビジネス)など。
- ネットワークビジネスにおける規制
- 勧誘の際に嘘をつくのは禁止
- 「絶対儲かる」「誰でも成功する」といった誇大な説明は禁止。
- 勧誘時に身分を明かさないのは禁止
- 友人を「お茶しよう」と誘い、実はビジネスの勧誘だった→違法行為。
- 迷惑な勧誘は禁止
- しつこく電話や訪問をするのはNG。
- 勧誘の際に嘘をつくのは禁止
- クーリングオフ制度
- 契約後 20日以内 なら無条件で契約解除可能(ネットワークビジネスの場合)。
主な違法行為と逮捕例
ねずみ講(無限連鎖講)での逮捕
MLMと異なり、ねずみ講は商品の販売ではなく、新規会員の紹介料のみで収益を得る仕組みであり、日本では「無限連鎖講防止法」により違法とされています。
「無限連鎖講」を運営したとして幹部が逮捕(2022年)
- 参加者が新規会員を勧誘することで報酬を得る仕組みを作り、違法なねずみ講と認定された。
- 参加者は「高額な会員費」を払わないと利益を得られず、実際には大半が損をした。
特定商取引法違反での逮捕
ネットワークビジネスは「連鎖販売取引」として特定商取引法の規制を受けます。勧誘時に虚偽の説明をしたり、強引な勧誘を行うと違法になります。
大学生をターゲットに虚偽勧誘(2021年)
- 「簡単に稼げる」「初期投資はすぐ回収できる」と嘘をついて勧誘。
- 実際には商品を買わされるだけで利益が出ず、消費者庁から業務停止命令。
- 主要幹部が特定商取引法違反で逮捕。
詐欺罪での逮捕
違法なMLMでは、「投資案件」と偽って資金を集めるケースがあります。
高配当をうたったネットワークビジネス詐欺(2020年)
- 「毎月10%の利益が確実に得られる」と偽って勧誘。
- 実際には配当の仕組みがなく、新規会員の資金を流用する「ポンジ・スキーム」。
- 関係者が詐欺罪で逮捕。
注意点
- 会社の健全性をチェック(ねずみ講ではないか、違法性はないか)
- 収益モデルを理解する(現実的に稼げるのかを確認)
- 無理な勧誘をしない(信頼関係を壊さないため)
- 商品が本当に良いか検討(純粋に消費者として買う価値があるか)
ネットワークビジネスは、適切に取り組めば成功する可能性もありますが、トラブルも多いため慎重に判断することが大切です。
まず、悩んだ際は、頭を冷やしましょう。親や兄弟、友人と情報を共有したり、信頼できる上司や先輩に相談するのもいいと思います。急いでしないと行けないようなものならすぐに衰退するはずです。焦らず、しっかりと情報を精査、整理し、それでも頑張ってみたいと思うなら挑戦するのもいいかもしれません。
私のスタンスとしては、おすすめしません。
私は後悔しましたし、そのころに戻れるなら絶対にしません。
資産形成をしたいならもっと着実なものがありますし、挑戦するなら他の投資法もあります。
これしかないと決めつけず、あらゆる選択肢をみた上で考えて頂ければと思います。
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